天国と地獄

(日曜日:雨)

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■今日は生憎の雨。昼前からは土砂降りになりました。久しぶりにゆっくりと時間が取れましたので、没後 10 年を特集して放送された、黒澤明監督の作品ビデオを観直しました。

 人それぞれに好きな作品があると思います。七人の侍がベストワンに選ばれることが多いようです。今日も前半部だけ観たのですが、七人の侍が揃うまでの導入部が実に見事です。映画も小説もそうでしょうが、とにかく最初の導入部で引き込まれるか、投げ出してしまうか、その手腕の違いが重要です。

 黒澤明監督は大変な読書家で脚本に対するこだわりは、尋常ではなかったようです。そのあたりは高峰秀子さんの「私の渡世日記」を読むと、よく分かります。物凄い努力家だったのです。ともすると天才黒澤という言葉が闊歩しますが、天才とは努力し続けることのできる人だ、という言葉は、私のような凡才にも希望を与えてくれます。

 私が好きな作品は、「天国と地獄」です。特に前半が何度観ても飽きることがありません。人間模様を実に巧みに描き分けています。降って湧いたような理不尽な試練に対して、直接その身に降りかかった人々と、仕事として、その人々と関わる人たち。

 犯人と主人公の生き方の対比。昔も今も繰り返されているに違いない、こうした人生のドラマが、この映画を永遠の名作に位置づけているに違いありません。



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