■20180902(日曜日:雨)

 

 

 

■昨日の天気予報では午前中は降水確率30%とのことだったのですが、午前7時3分現在、沼津は大雨注意報が出ています。愛鷹山の方を見上げると、真っ黒な雲で覆われています。これでは出かける訳にはいきません。しなければならない雑務を家で片付けるしかなさそうです。

 

 

■こうした雨の日曜日の楽しみの一つは、新聞の熟読です。8月30日の「太郎の国際通信」欄では、

 

 

「司法取引」という名の裏切り

 

 

との報告がなされています。トランプ大統領の元顧問弁護士が、自分の犯した脱税などの犯罪8件の刑を加算すると最大65年の刑を課せられるはずだったのだが、大統領選挙でのある事件において、トランプ大統領の関わりを示唆する陳述のお陰で、刑期が「46ヶ月から63ヶ月が適当」と検察との間で合意した、というのです。

 

 

つまりは弁護士にとっては守秘義務のあるはずの依頼者を裏切って、自分の利益を優先した、ということになります。テレビドラマ「 Law and Order 」を観ていると、常に出てくる言葉が、守秘義務です。弁護士は依頼者との間に守秘義務があり、依頼者の権利を守るために、検察には決して情報を漏らさない、ということです。

 

 

そうでないと、確かに被告人の権利は守られないでしょう。あるいはジャーナリストが情報提供者に関する守秘義務を守ること、も同様です。ジャーナリストが情報を提供すれば、例えば殺人犯が逮捕できるかもしれない、という状況でも、ジャーナリストは体を張って検察に抵抗するのです。それは自分の存在価値を守ることでもあるのです。

 

 

ところが上記のような弁護士が現れると、依頼人は誰を信用したら良いのか分からなくなります。弁護士個人の利益のために守秘義務のあるはずの依頼者の情報を提供してしまうからです。司法取引は番組の中で、しょっちゅう登場します。登場しないことがない、と言っても良いほどです。法律に基づいた正々堂々の一騎打ちかと思いきや、裏でコソコソ手打ちをしている、とも言えます。

 

 

もちろん良い悪いの問題ではないのです。あちらにおける、それがルールだからです。ルールの中での戦いです。この司法取引が、今年の6月から日本でも導入されたのです。木村太郎さんは、最後をこう締めくくっています。

 

 

対象となるのは経済犯罪や暴力団などの組織犯罪で、「下っ端」の罪を減免してトップの関与を証明するのに役立つと言われた。

しかし、これは「裏切りの奨励」にほかならない。場合によっては弁護士にも裏切られる危険があるとすれば、組織内外の人間関係が疑心暗鬼になるのは避けられない。また自らの罪を逃れるために虚偽の証言をするものが出て冤罪を生む恐れは十分あるだろう。

私たちはもしかしたら、とんでもない制度を導入してしまったのではないだろうか。