■20190905(木曜日:曇)

「ふる里 大夕張の碑」です。

■今朝はゆっくりと休みました。2日続けて朝走りましたので今日は小休止です。9月も始まったばかりですので、ひと月を通しての計画をある程度立てる必要があります。毎週25 km を走れば月100キロを走ることができます。 ですので週25 km 走ることが、とりあえずは目安となります。 いつものコースですと一回の距離が6.2 km 強ですので、7日のうち4日走れば大体25 km となります。 夏になってからは暑さのためか歳のためか、一回で10 km 以上走ることが難しくなってきました。回数をこなしていかないと目標達成は困難です。とりあえず明日の朝走る予定です。

 

■さて今朝の東京新聞文化欄には総合研究大学院大学長の長谷川眞理子さんが、「浅知恵に振り回されないで」と題して寄稿されています。ヘンリー・ジェイムズの長編小説「鳩の翼」を題材に、組織における成果主義は実行可能かどうか検討されています。 鳩の翼について長谷川さんはこう書かれています。

 

この小説の読み方はいろいろだが、良かれと思って人を操作しようとしても事は思い通りにはいかず、結局は誰もが不幸になる、というのが私の解釈だ。

 

これに続いて長谷川さんは、政府が86 ある国立大学を、いくつかの指標によって評価し始めたことを論じています。 それは、以前企業が行った、いわゆる成果主義なのではないか、と疑問を呈しています。 それは、2000年代に入りバブルがはじけ、日本の雇用に特徴的であった年功序列、終身雇用の慣習を変え、個人の仕事の成果を評価し、給与その他に反映させようとした試みでした。しかしこの試みはどうもうまくいかなかったようです。

 

長谷川さんは三つの理由を挙げられています。第一は、成果をどう評価するのかの基準が困難で、ほとんどの人が満足できない。第二に、個人の成果を競わせることでチームワークが壊れ、ギスギスした職場環境になる。そして第三に、成果指標の点数を上げることそのものが目的化し、不正が多発することをあげています。 スルガ銀行やかんぽ生命保険の例で見るように、 数字だけを追っていると、事の本質を見失うようです。

 

長谷川さんは最後にこう述べています。

 

結局のところ、何のために評価し、評価によって何を達成したいのか?それぞれの人が、自分がまともに評価されていると感じ、働きがいを見出せる職場にすること、そして、それらが積み重なることによって、集団全体の業績が上がること、それが目的だろう。

 

鳩の翼の主人公 ケイトの企みが、結局はすべての人々を不幸にしたように、浅知恵で人を動かそうとしても駄目だ、というのが長谷川さんの結論のようです。