■20191016(水曜日:雨)

昨年訪れたベトナムのある農家です。枯葉剤被害に苦しむ一家です。

■今朝も走るつもりで準備をしていたのですが、なかなか起きだせませんでした。3時少し過ぎに一度目が覚めて、また眠ろうとしたのですが、どうやら掛け布団が薄すぎて、寒さの為に目が覚めてしまったようです。

10月に入っても気温が高く、暑さのために寝苦しい日があったことが、つい昨日のことのように思い出されます、今度は寒くて熟睡できない季節になったのです。

しかも、よく耳をすますと雨音が聞こえてきました。今朝は雨のようでしたので、起き出すのは止めました。5時半頃起き出して、ビニールゴミを所定の位置に運び、家に戻って朝食の準備をしました。

昨日の夜は医師会の理事会があり、出かけましたが、今日は学校医をしている近隣の小学校の就学時検診です。昼休みに出かけなければなりません。団地を多く抱える私の地域では、昔は小学校1年生は3クラスから4クラスもありましたが、今では一クラスになってしまいました。今日出かける学校の就学時検診の児童数も30名ちょっとだそうです。

検診は短時間で終わるので、楽といえば楽なのですが、これだけ子ども数が減ってしまうと、地域に子どもたちの声が響くことがあまりなく、寂しい限りです。子どもは宝だな、と本当に痛感するばかりです。

■さて今朝の地元の地方紙には、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんが、地元の高校で講演した様子を伝えています。題名は「写真で伝える世界の子どもたち 高校生だからできること」です。

安田さんは高校二年生の時にボランティアで出かけたカンボジアでの経験を語っています。「トラフィックド・チルドレン」と呼ばれる人身売買の被害を受けた子どもたちです。

長い内戦の後の貧しい農村では、「子どもを学校に通わせながら働かせることができる」などと騙され、教育を受ける機会のなかった親達は子ども達を連れていかれた、ということが頻発しました。

その子どもたちは実際には一日中物売りなどとして働かされ、酷い虐待を受けることもありました。高校生の安田さんが出会ったのは、そんな体験をした後、保護されて施設にいた子どもたちだったそうです。

しかし、施設にいた子どもたちは自分のことよりも家族のことを気遣い、家族のために自分は何の仕事ができるか、そのためにこれから何を身につけるべきかを考えていた、というのです。

その姿を目の当たりにして、「自分以上に大切な人がいると、人はこんなにも優しく、強くなれるんだ」と感じ、私も人を守れる人間になりたいと、安田さんは思ったそうです。

国際協力は何かをしてあげるのではなく、出会った人から頂いた経験、学ばせてもらったことに対して、何をお返しできるかだと思う

と安田さんは述べています。

最後に安田さんは取材で訪れた、内戦に苦しむシリアの子どもたちの写真を映し出し、シリアで言われ続けてきた言葉を紹介しました。

自分たちのことを本当に追い詰めてきたのは何か、知っていますか。シリアでこれだけのことが起きているのに、世界は自分達のことを無視しているということ。

安田さんは無関心でいることの罪を伝えながら、「大切なものを失った子、奪われた子のことを、みなさんも大切な人と分かち合ってほしい」と高校生たちに呼び掛け、お話を締めくくりました。

■明日から私も仲間たちと、ベトナムへでかけます。ベトナム戦争時に、アメリカにより散布された枯葉剤の後遺症に苦しむ人々に支援物資を届けるためです。

枯葉剤に含まれていたダイオキシンによる遺伝子損傷のため、従軍世代から数えて、第三世代、第四世代にまで被害者が、いまでも出ているのです。ベトちゃん、ドクちゃんの世代で被害が終わったわけではないのです。

もちろん私達にできることは限られていますが、現地の様子を確認し、帰国してからは、その様子を仲間の皆さんに可能な限り伝える努力をしています。日本にいると無関心になりがちな皆さんに少しでも関心を持ってもらえれば、それでよいのです。