■20191123-25(土曜日-月曜日)

出雲大社です。

Day 01

青空のお出迎えです。

■今朝は6時半に家を出発し、静岡空港に向かいました。松江空港行きの便に乗るためです。静岡空港発の国内便には、ほとんど乗ったのですが、松江空港行きには、まだ乗ったことが無かったのです。

東名高速道路は工事中で、混雑が予想されたのですが、幸いたいしたことも無く、予定通り30分以上前に到着しました。満席でした。飛行機はエンブラエル社製で、左右二席ずつ。こじんまりしていて、小回りが効くのでしょう。90席ほどです。三菱重工業のスペースジェットのライバルです。

一時間程の飛行時間。あっという間に着陸です。到着後はレンタカーを借りて10時15分には出発できました。

まずは出雲大社へ向かいました。30分で到着。駐車場確保に苦労しましたが、無料駐車場に何とか滑り込みました。内部は観光客で混雑。そこかしこに、参拝のための長い行列が見られました。風もほとんど無い、暖かな最高の観光日和。いつもの事ながら、お天気の神様に感謝です。

拝礼を待つ多くの人々です。

■さて12時を過ぎましたので車に戻り、日御碕(ひのみさき)灯台に向けて出発しました。天候は陽射しに恵まれ、むしろ暑いぐらいでした。途中見晴らしの良い食堂で昼食をとりました。一応民宿と書かれていましたが、今は食堂が中心のようです。夜に備えて軽い食事にと思い、私は海鮮ラーメン、Sunは普通のラーメンを注文し、少しずつ分け合って食べました。

日御碕神社を経て、13時過ぎには無事に、日御碕灯台に到着しました。180度水平線が見える、青空の広がる最高の見晴らしでした。海の青さと空の蒼さを満喫した後、今日の宿泊先である民宿「銀海」に向かいました。

最高の天候でした。海の青、そして蒼空の蒼。

15時前には民宿に到着し、ゆっくりとした後お風呂に入り18時から夕食をとりました。

目玉料理はアコウのお刺身、姿作りでした。西高東低と言いますか、関東ではあまり知られていないようですが、瀬戸内海や山陰では、とても人気のある高級魚だそうで、なかなか口に入らないそうです。その他アワビなど海の幸を満喫して、ぐっすりと熟睡できました。

アコウの姿造り。西日本では有名な高級魚です。

Day 02

ゲゲゲの鬼太郎ロードです。観光客で混雑中です。

■昨日は朝、静岡から松江空港に到着し、レンタカーを借りた後に出雲大社に行きました。穏やかで暖かく風もほとんどない絶好の参拝日和でした。本当にたくさんの人々が来られていましたが、出雲大社自体は思ったほど大きなものではありませんでした。こじんまりしているという印象でした。

■さて今日は、まず境港市に向かいました。隠岐島へ行く船が出る、あの港です。そして、ゲゲゲの鬼太郎で有名な町でもあります。NHK朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」で一躍有名になりました。作者の水木しげるさんが生まれた町として知られています。

また駅の近くには「ゲゲゲの鬼太郎ロード」があり、これまた多くの観光客で賑わっていると聞きました。

写真にもある通り、駅前にはゲゲゲの鬼太郎の大きな絵が書かれています。向かって左側にあるのがJRの境港駅であり、正面は観光センターのようです。

駅前の駐車場にたまたま1台空きがあり、運良く止めることができました。まずは観光センターの中に入り、隠岐島へ渡る船の発着状況などを確認しようと思ったのですが、よくわかりませんでした。

外に出てきてみると、境港駅の前には、ゲゲゲの鬼太郎が机の前に座っているモニュメントがありました。

そうこうしていると、地元のボランティア観光案内の方が、ご一緒しませんか、と誘ってくださいました。おいくつぐらいでしょうか、もう70を超えておられると思いますが、4人で参加させていただくことになりました。

駅前からスタートし、しばらくすると、ゲゲゲの鬼太郎ロードが始まりました。長さは850メートルほどです。行政が提案されたそうですが、当初は商店街は猛反対で賛成する人は、1人もいなかったそうです。

結局のところ、商店街の一区画だけが行政の説得に応じて、ゲゲゲの鬼太郎モニュメントを設置することを承諾しました。今では年間300万人の観光客が訪れています。その経済的効果たるや想像を絶するものです。

全長850メートルほどの商店街は車道は車が2台、やっとすれ違えるかどうかの広さで、歩道をゆったりととってあります。両側には本当に一軒一軒商店が並んでいて、昔ながらの商店街という雰囲気が漂っています。

もちろん何軒か、所々歯が抜けたように空き地になっていたり、駐車場になっていたりしていますが、それでもぶらぶらと歩くのは、とても楽しいひと時でした。

そして一番突き当たりに近いところに、ゲゲゲの鬼太郎記念館がありました。ボランティアガイドをしてくださった地元の方には本当に感謝、感謝です。

ボランティアの方の話では、テレビ番組にもなった、水木しげるさんの奥様が書かれた「ゲゲゲの女房」は、実はほとんどを、ゴーストライターの方が書かれたそうです。世の中の本というのは、そうした場合が多いのかもしれません。少し割り切れない気もしないではありません。

ゲゲゲの鬼太郎ロードです。

■さて、車に戻って今度は松江城に向かいました。Sunのおすすめに従って、松江城の周りのお堀を巡る船に乗りました。船頭さんのお話では、現在60名ほどの船頭さんがいるそうですが、最近21歳という若さの方が加わったと喜んでおられました。

時期的には紅葉がほとんど終わりかけでしたので、少し色鮮やかさが落ちていましたけれども、それでも1時間弱、素晴らしい時を過ごすことができました。

船を途中で降りて松江城の大手門に向かいました。ここでも地元のボランティアガイドの方に、お世話になることになりました。女性の方でしたが、とても勉強熱心な方で、松江城の素晴らしさを熱心に教えてくださいました。

お礼を言って別れた後、城内の喫茶店で抹茶と和菓子を頂きました。

松江城巡りです。

少し歩いて、次にたどり着いたのが、ラフカディオ・ハーン記念館です。松江といえば、なんといっても、ラフカディオ・ハーンです。

以前ラジオのNHK文化講演会で、ラフカディオ・ハーン記念館の館長をしておられる、ハーンのひ孫にあたられる小泉凡さんの講演を聞いたことがあります。

小泉八雲は14年以上でしたか、日本に滞在していましたが、そのうち松江にいたのは1年3ヶ月ほどにしか過ぎなかったのです。

凡さんのお話は、とても興味深く、いくつものことが記憶に残っているのですが、その中の一つにあるのが、まるで舞踏会のようだったというお話です。

小泉八雲は学生時代に事故で左目を失明し、右目も強度近視のために主力は0.1なかった、という凡さんのお話でした。しかし人間は一つの感覚が衰えると、他の感覚が研ぎ澄まされるものです。彼の場合は、聴覚でした。

松江の自宅で寝ていると、朝起きた時に松江大橋を渡る、地元の人達の下駄の音が聞こえてきます。そのカランコロンという音が、まるで舞踏会のように聞こえてきたというお話です。

八雲が英語教師として、島根県尋常中学に1890(明治23)年に赴任した際、名前のつづり「Hearn(ハーン)」を「ヘルン」と読まれたという。それ以来、生徒たちから「ヘルン先生」と呼ばれ、日本での愛称となった。本人も気に入っていたようで、妻のセツも八雲のつたない日本語を「ヘルン言葉」と呼んでいたそうだ。

「カラコロ」は、当時まだ木造だった松江大橋を下駄(げた)履きの人々が渡る音。八雲は『知られぬ日本の面影』の中で、松江に到着した翌朝に聞いた「大橋の下駄の音」を「忘れられない音」と描写している。

彼も魅了された音色ということで、観光スポットの名称などに「カラコロ」が冠されるのだ。

Day 03

足立美術館前景です。 足立美術館(あだちびじゅつかん)は、島根県安来市にある、近代日本画を中心とした島根県の登録博物館。運営は、公益財団法人足立美術館。130点におよぶ横山大観の作品と日本庭園で有名。

■今朝はゆっくりと休み、7時に起き出しました。今日は旅も終え、午後には飛行機に乗って帰らなければなりません。カーテンを開けてみると、どうやら雨が降っているようです。昨日までの青空が嘘のように、どんよりとした黒い雲が広がっています。

8時から朝食をとり9時には宿を後にして足立美術館に向かいました。今朝の写真にもある通り、島根県安芸市にある美術館で、地元出身の実業家、足立全康(あだちぜんこう)が1970年(昭和45年)71歳の時に開館しました。

今日はあいにくの雨でしたが、観光バスが10台以上駐車場に並び、全国各地から多くの人が訪れているようです。絵画はもちろんですが、その庭の素晴らしさに触れようと訪れる方が多いようです。ある調査では16年連続、日本一の庭園に選ばれたそうです。訪れてみると確かに、その素晴らしさは、私にも容易に理解できました。

創立者の足立全康の略歴が張り出されていましたが、まさに波乱万丈の人生だったようです。子供の頃はどうもあまり学校の成績は良くなかったようですが、商才があったのでしょう、丁稚奉公を経て、次から次に事業を立ち上げ、資産を築いたようです。

しかし立派なのは、それをこうした形で地元に還元しているところです。芸術には、お金がかかるのです。昔から芸術家にはパトロンとしての貴族が生活を支えていたのですが、近代社会になってからは、例えばオランダのように、裕福な市民が、それを支えるという形になりました。

公共のためにという形で、今では国家が多くの部分を支えています。日本では政治家の芸術に対する理解があまりないために、支援は期待できません。市民にも、そうした理解が進んでいるとも思えません。そういう点では、この足立美術館は成功例の一つに違いありません。

 

創立者 足立全康像です。

イギリスの大英博物館は、未だに入館料は無料だと思いますが、さすがは元大英帝国の領主だったことはあります。かなりの美術点が他国から言わば略奪してきたものであるとはいえ、大英博物館で保存されていなければ、今頃どうなっていたかの保証はありません。

昼食も食べずに美術館で全ての作品を見終え、雨の中レンタカーを返却するために松江空港に向かいました。15時35分発の富士山静岡空港行きのFDA便に乗って静岡に帰ってきました。

あっという間の3日間でした。そして楽しい3日間でした。また明日から日常が始まります。あと1ヶ月もすれば、大晦日になってしまいます。もう少し頑張るしかなさそうです。

パノラマです。