■20210720(火曜日 晴) ホテルひがしもこと

今日の旅のコースです。

■昨日宿泊した民宿には、私たちと二人のサイクリストが素泊まりしていただけのようです。ネットには「こんぶ風呂」が売りである、と書かれていました。期待していたのですが、ガックリでした。施設も手狭で雑然としていて、最初の夜に泊まった宿とは、だいぶ差がありました。

昆布風呂といってもエキスらしきものが袋に入れられているだけで、本物の昆布が湯船に浮いているわけではありません。

もともと気温が低いのでしょう。冷房装置は必要がなかったのですが、さすがに温暖化の影響でしょうか、客室には冷房専用の空調が備え付けてありました。暖房は、もちろん本格的な器具が置いてありました。

お風呂には、ちょっとがっかりですが、食事は大満足でした。

■さて今日は朝食後に、納沙布岬にまず行き、北方四島を見る予定です。もちろん天候しだいでした。大変残念でしたが、雲がかかり霧も出て、島は全く見えませんでした。一番近い島までは4キロ弱。本当にすぐ目の前です。

今となっては手遅れにも見えますが、プーチン大統領という強い指導者のいるうちに、日本は戦後の外交を静かに軌道修正して、北方四島問題に決着を付けなければなりません。残された時間はもうわずかです。

和人受難の碑なるものがありましたが、よく読むと非道な扱いに堪忍袋の尾が切れたアイヌ民族の人々が、和人を襲ったという内容でした。アメリカ西部劇さながらの出来事は、日本でも起きていたのです。私達が、それを知らないだけなのです。

■次に向かったのは、知床半島の羅臼です。根室湾に沿って走った後、44号線から243号線に乗り換えて、風蓮湖を右に見ながら北上しました。やがて244号線となり、再度根室湾沿いに羅臼に向かいました。

到着後、観光船に乗ろうかと思ったのですが、時間の関係で知床峠を通って網走に向かいました。峠では霧が濃くたちこめ、いっとき視界が殆どないほどになり、いささか慌てましたが、まもなく視界も戻りました。どちらにしても、知床半島を横断する際には、はるか遠くを見晴らすことはできませんでした。

途中で「道の駅 おだいとう」に立ち寄りました。羅臼産の海産物が、これでもかと販売されていました。買って帰るわけには行きません。眺めるしかありませんでした。

■根室半島沿いを走ってみて気づいたのは、酪農施設が新規に建設されていることです。牛舎などが新しいのです。気候が一番の要因ではないでしょうか。何しろ気温が高くなりません。10度近く低いのです。牛は暑さに弱いようで、ここ数日の猛暑で熱中症に陥った牛に、治療のために獣医さんが牛に点滴をしている様子をテレビ報道していました。

ここ数日は連日30度超えの気温で、札幌でも大変だったようです。マラソンを開催する頃には、いったいどうなっているのか、想像するだけでも選手が可哀想そうです。

ということで、酪農に適した土地は限られてきたようで、ドライブをしながら、巻き取られた牧草のビニール製の円盤が、あちらこちらに放置されていました。冬を乗り越えるためには膨大な量の牧草が必要なのでしょう。

根室地方は、日本の酪農中心地になっているようです。

■今日もようやく宿にたどり着きました。「ホテル ひがしもこと」です。道の駅に併設されたビジネスホテルです。チェックイン後に、近くにある日帰り温泉施設に向かいました。「大空町 ふれあいセンター フロックス」です。歩いて5分足らずでした。宿泊客優待券で一人300円です。立派な建物でした。地域の人々の憩いの場になっているようです。

これまでの宿の中では、食事は一番ありきたりでした。致し方ありません。ビジネスホテルの食堂という感じです。食券を購入して、いただきました。

■今日は根室から羅臼、そして網走と駆け抜けました。根室地方に入って、まず驚いたのは、ガソリンスタンドが急に乱立し始めたことでした。それまで殆どなかっただけに、とても不思議に感じたほどです。

以前家族で初めて北海道旅行をした際、ツアーの運転手さんが根室出身で、とにかく暑い、暑いを連発していたことを思い出していました。私達には、それほど暑いとは思えない気温だったのですが、ふるさと根室からすると暑いということが、実際に訪れてみて実感しました。

富良野や帯広に比較しても、10度近く低いことにびっくりしましたが、まずは晴天になることが少ないのかもしれません。いつも霧がかかり気温が上がりにくことはありそうです。

根室地方は酪農規模を拡大している、と新聞紙上で知って、今の時代に大丈夫なのかな、と心配したのですが、訪れてみて、その理由が少し分かった気がします。温暖化が進んだ今、北海道といえども適地は少なくなりつつあるのでしょう。