■20220510(火曜日:晴れ)

千歳市の青葉公園です。2014年に初めて千歳JAL国際マラソンに参加しました。スタート前、緊張が走ります。

■今朝は晴れています。今週は雨模様の天気が続くとのことで、最初から走るつもりもありませんでした。走る気力が減弱していることには、驚くばかりです。元気が出てこないのです。単なる年齢からくる衰えだけなのか、それ以外の理由なのか、自分にはよく分かりません。6月の第1日曜日には、千歳JAL国際マラソンに参加しなければならないのに、こんな体たらくでは、完走するのは本当に難しくなってしまいます。

■さて、今朝の東京新聞には「胃がん死亡  顕著に減少」。と題してピロリ菌除菌による胃がんの撲滅を提唱してきた、北海道医療大の浅香正博学長が話されています。1997年まで、日本人のがん死亡第一位は胃がんで、塩分の多い食事や喫煙が原因とされてきました。

ところが1980年代にオーストラリアの研究者が胃に生息するピロリ菌を発見し、90年代以降の研究によって、これが胃潰瘍や胃がんの原因になることが確実になってきました。

国際的な研究によって、ピロリ菌は胃がんの原因の8割を占めると発表され、感染者が多い日本では、胃がんの98%がピロリ菌が原因との研究も発表されています。

ピロリ菌は乳幼児期に飲み水などを介して感染しますが、衛生状況が改善されてきた若い年代ほど感染率は低いのです。感染すると、ほぼ全員が慢性胃炎になり、10年以上かけて萎縮性胃炎に移行し、その中の一部が癌を発症するのです。

現在では事実上、全ての感染者の除菌が保険によって可能になっています。こうしたピロリ菌除菌治療によって、胃がん死亡者は劇的に減少しました。

1970年代以降、年間の胃がん死者は5万人前後でしたが、2013年には5万人を切り、2020年には、42,319人と急減しました。

また、国際専門誌で論文を発表した、北里大学の大和田暁子客員研究員によれば、除菌による医療費の削減額は3,800億円にも達するそうです。

「除菌で胃がんリスクが大幅に減り、併せて行う内視鏡検査で早期発見出来るのに、胃がんで命を落とすのは惜しい」と、浅香先生は最後に語られています。定期検診が何より大切だ、ということです。

■胃がんで思い出すのは、名画「生きる」です。主人公の公務員役・志村喬さんが医師から胃潰瘍だと嘘の診断名を告げられ、悩み苦しむ様子は、今ではもうすっかり過去のものになったはずです。