■20260126-0127(月曜日ー火曜日)

■知り合いの開業医が、今年に入って突然、3月いっぱいで閉院することが分かりました。昨年の会合でお会いした際には意気軒高で、まだまだ何年でも続けるつもりだ、と話していたことからすると、大変な驚きでした。
詳細は不明ですが、体調に異変を感じたのかも知れません。私より、たった5歳年長なだけですから、他人事ではありません。スタッフに、そんな話をしていたら、みんなが総出で、静岡県立がんセンターのがんドックを予約してくれました。たまたま運良くキャンセルが、入ったのです。
3年前に子ども達がお金を出し合って、大学病院での入院してのVIP版人間ドックを準備してくれました。その際には、幸いにもPET検査でも異常は見つからなかったのですが、今回は胃の内視鏡検査と大腸ファイバー検査も受けることにしました。
■朝5時45分に起きて原駅まで歩き、6時59分の御殿場行きで、そのまま長泉なめり駅で下車。改札口が無いのに驚きました。目の前がバス停。20分ほど待ちましたが、寒さは堪えました。
さて到着して、まずはマイナカードで本人確認。3階の検診センターで、説明の後、さっそく血圧、採血開始、身長、体重の測定など、一般検査を受けました。自動血圧計での計測。身長が2.5センチも縮んでいました。
その後に、CT検査、心電図検査、腹部超音波検査、総合検査の後、内視鏡検査です。段取りよく、次々に検査が終わりました。
さて内視鏡胃検査では、終了後の休息中に血圧が低下して気分が悪くなり、慌てましたが、看護師さんが間髪入れずに処置をしてくれて助かりました。点滴を受けて回復。静脈麻酔で検査を受けたのですが、今までこんな事はありませんでした。麻酔の量が私には多すぎたのか、適応力が低下しているのか、私には分かりません。
その後、昼食を採らずに、そのままMRI検査。脳の精密検査です。13時30分までには、全て終了。一階のコンビニで、今日の昼ごはんと夕食をパックで購入。「クリアスルーJB」です。1,200円程。11階のレストランでレトルトを温めてもらい、遅めの昼食を摂りました。無料で調理してくれ、お皿に盛ってくれましたので、ゆっくりと食事を摂ることができました。
その11階の見晴らしスペースから撮った写真が、上掲の写真です。
■写真の真ん中、山の峰のくびれたところに煙がたなびいています。沼津市斎場です。昔、高校時代に古典で習った徒然草に記載があったことを思い出して調べてみました。
『徒然草』で「斎場(さいじょう)の煙」 に言及した部分は、第137段(吉田兼好による原文)にあります。
【原文】(現代語訳付き)
「斎場の煙のたなびきたるこそ、ことわりなれ。されど、同じ火葬なりとも、その煙の薄く立てるは、あはれなることもなく、きたなくぞ見ゆる。
太く黒き煙の、むくむくと立ち上りたるは、いとあはれなり。男も女も、いみじき人は、焼く煙もむくつけからず、げにたふとし。」【現代語訳】
「(人の死んだ)火葬場の煙がたなびいているのは、(人の命の儚さを思えば)道理に適っている光景だ。しかし、同じ火葬であっても、その煙が薄く立ち上っているのは、しみじみとした情趣もなく、むしろ汚らしく見える。
太く黒い煙が、むくむくと立ち上っているのは、たいそうしみじみと心に染みるものである。男でも女でも、すぐれた人物は、焼かれる煙さえも恐ろしくはなく、まことに尊いものである。」【解説と背景】
- 「斎場」の意味
ここでの「斎場」は、現代の葬儀式場ではなく、火葬場(当時は野辺や丘で火葬を行うことが多かった)を指します。仏教の影響で火葬が普及していた中世の死生観が反映されています。- 兼好の美意識と無常観
兼好は「太く黒き煙」に人の生きざまや存在感を見出し、そこに「あはれ」(深い情感・無常観) を感じています。煙の様子から、死者の人格や生き方を連想するという、独特の美的感性が示されています。- 死生観の表現
- 「煙が薄い」→ 存在感の薄い人物の死は、情感もなく「きたない」と感じる。
- 「煙が太く黒い」→ 優れた人物の死は、煙さえも立派で尊く感じられる。
これは、「死の様さえも、生前の生き方によって価値が変わる」 という兼好の思想を示しています。
- 中世的な無常観と美学
『徒然草』には、人の死や自然の移り変わりを通じて「無常」を観照する記述が多く、この段もその一例です。煙という儚いものに美と尊さを見出す、仏教的無常観と日本的な美意識が融合した描写と言えるでしょう。【補足】
- この段は、「死の美学」 や 「人物評価」 を論じたものとして、『徒然草』の中でも特に哲学的で印象的な章段の一つです。
- 兼好の他の記述(例えば第155段の「亡き人の寝し衾(ふすま)の上に、夜な夜なねぶるこそあはれなれ」など)とも通じる、死への深い観察が感じられます。
ご参考までに、原文は『徒然草』の多くの版本で確認できます(岩波文庫『徒然草』など)。
■ホテルの送迎バスは17時までありません。レストラン横の休息スペースで、フリーWiFiを利用。見晴らしは最高です。沼津市斎場から、もくもくと立ち上る(あるいはくすぶる)煙の様子を見ながら、あの場所で火葬された母を思い出していました。義母も、あそこで火葬されました。
立ち上った煙が、どのようなものだったかは確認できませんでしたが、二人とも沼津の自然に還っていきました。
■二日目は大腸ファイバーです。4時半に起きて、1,800 cc の水に溶かしたマグコロールを飲み始めました。飲み始めて1時間ほどすると効果が出てきます。ただし検査が可能になるほどに大腸が空になるには、まだまだ時間が必要でした。それは飲み始めて2時間半ほど経った頃でした。本当に透明な水様便となり、3回そんな状態が続いて、準備万端となりました。
8時の送迎バスに乗り、ホテルから15分ほどで到着。ドックの受付で準備を済ませて、内視鏡センターに向かいました。昨日は、ここで胃の検査を受けました。昨日の低血圧発作のことがありますので、麻酔の量を少なめにしてもらいました。
検査は、とても楽でした。痛くも痒くもなく、少し圧迫感はあったものの、終始意識ある中で辛いことはありませんでした。きっと先生の手技が上手だったのでしょう。2ミリほどのポリープがありますから切除します、と途中説明がありました。2つ見つかったようです。
調べてみると、2008年に初めて大腸ファイバーを受けたようですが、2012年の健康診断時に、2013年にも施行しましょう、と言われながら、どうやら受けなかったようです。あの時にはポリープも無く、問題なく終わりましたが、今回はそうは行きませんでした。
無事に大腸ファイバー検査も終了し、会計も終えて、Sunに連絡後、玄関前で落ち合ったのが11時。スムーズに終えることができてホッとしています。来月26日に再度受診した際に結果の説明を受けるとのことで、また休診にしなければなりません。
