2023 年 09 月 02 日 TakuとMasato とNonと一緒に訪れた熱海初島です。

カテゴリー: 残日録 Page 145 of 153

朝の雨

20171016(月曜日:雨)

海雲台(ヘウンデ)海岸近くの、ある商店街の様子です。庶民の味です。

■先週末から雨の毎日です。これだけ雨の続くことは、しかも夜明け前後の時間帯に、雨が降り続くのは記憶にありません。走ることができないので、しっかり記憶に残るのです。

 昨日は男子ゴルフの日本オープンゴルフ選手権競技が開催され、プロ野球もクライマックスシリーズの第二戦が雨の中強行されました。今年も残すところ三ヶ月になり、色々な世界で気ぜわしくなってきています。

 そして何より次の日曜日、22日には総選挙があります。今の予想では与党が大勝しそうだ、とのことですが、そうなると本当に日本の将来が危うくなります。格差はますます開き、防衛費はますます増加し、自衛隊が海外で戦う場面が出てくるかも知れません。

 そして日本の核武装が議論され始めます。「この国を守り抜く」と唱えれば、全てが可能になるのです。もっとも私には、「この私を守り抜く」と聞こえて仕方がないのですが。

■先週の金曜日から連続四日間走っていません。雨で走ることができないのです。朝の5時からの1時間から2時間の間だけで良いのですが、雨が振らずにいてくれれば良いのです。雨の中を走るのが風邪をひく可能性があり、絶対にしません。以前痛い目にあっているからです。

 さて明日の朝は、どうなるでしょうか。

■先週のロータリークラブのテーブル会で、昨年幹事役として世話になった土屋さんに、ある本をプレゼントしました。「英語でたのしむーアドラー心理学」です。父娘で読んでね、と渡しました。

 土屋さんは、「嫌われる勇気」をすでに読破していますし、英語は別にしても日本語の内容は、すんなりと頭に入るはずです。そして何よりお嬢さんが英語の勉強に力を入れていますので、将来に渡ってこの本は、きっと力になってくれるはずです。さらに親子でアドラー心理学を語り合えることができれば、これほど素晴らしいことはありません。

 人と関わる職業に付く人間にとって、これからはアドラー心理学が必須のものになるはずです。もちろん自分自身がより良く生きるためにも、力強い味方になってくれることも間違いありません。 

雨の日曜日

20171015(日曜日:雨)

釜山市のバスターミナルです。トイレって韓国語でなんというか。ホァジャンシル「화장실」を直訳すると”化粧室”ですが、男女共に一般的です、とあります。

■今朝は天気予報通り雨の朝でした。5時に目覚ましを鳴らしたものの、やはり雨か、と再び眠りにつきました。今週は何と言っても、木曜日にベトナムへ旅立つために無理は禁物です。無理をして風邪でもひいたら目も当てられません。致し方ありません。

 雨の日曜日というのも久しぶりのような気がします。のんびりと過ごす日曜日が、めったに無いせいかもしれません。天気が良ければ何やかやと予定を入れますから、のんびりと午前中を過ごすことは本当に稀です。

 そんな時に思うのは、じっくりと新聞を読む良い機会だ、ということです。さっと目を通すことはしても、じっくりと新聞に目を通すことは普段は、なかなかできません。日曜日は特に書評欄が楽しみです。

 第四面には、

IS、ラッカ撤退開始 シリア 部族有力者が証言

 と題して記事が掲載されています。シリアの内戦が終結に向かっていることを伝えています。日本のマスコミが奇妙なのは、こうしたシリアでの情勢を巡る報道が、あまりにもアメリカよりに偏っているために、実態が正確に伝えられていないように思える点です。ロシアの役割がほとんど報じられていません。

 日本のマスコミ全てが、国際社会におけるロシアの役割、重みというものを伝えることを、どうも控えているように思えるのです。アメリカに忖度している、というと考えすぎでしょうか。今やロシアや中国抜きには国際問題は解決できなくなっているのに、日本での報道を見ていると、アメリカの一存で全てが解決できそうな幻想に陥ります。トランプ大統領が言いたいのは、アメリカ一国で世界の問題を解決することはもうできない、という一点です。そんなことをしようとすると、アメリカ国民に負担ばかりを強いて、国民の幸せには繋がらない、と言っているのです。

 従って安倍総理は北朝鮮問題にしてもアメリカとの連携のみを強調するのです。それだけでは問題が解決できないことは国際社会では常識なのに、日本のみが目くらましに甘んじているのです。未だに国際情勢に関しては鎖国の中で生きているのではないか、とすら思えるほどです。

雨の週末

20171014(土曜日:雨)

釜山の、とある街角です。

■昨日から冷たい雨が降り続いています。つい先日までは半袖でも十分快適なほどの天候が、一転して寒さに凍えるようになりました。目まぐるしい変化とは、こんな状態のことなのでしょう。体調管理が大変です。

 それでも睡眠という点からは熟睡できますから、私にとっては今の程度の冷え込みなら、むしろ快適といえるほどです。

■昨夜はロータリークラブのテーブル会。仲間と久しぶりに楽しい時を過ごしました。今週の木曜日は、その週に休日が入ったことで休会。来週の木曜日はベトナムへ旅立つ日。その次の例会は24日の沼津四クラブの合同例会ですが、ベトナムから帰国する日ということで、三回続けて皆さんに会えずじまいということになります。

 21時前に会も終わって、たまたま同様に会合のあったSunに、会合が終わった後で店の前で車で拾ってもらいました。雨でしたので助かりました。帰ってきて熱いシャワーを浴びて一息つきました。そしてトイレに入り排尿しようと思うのですが、どうしてもできないのです。ここ数年、特にお酒を飲んだ後に、こんなことが起こるようになったように思います。

 べつだん破裂しそうなほど尿が溜まっているわけではないので、お腹が張って苦しいというわけではないのですが、出そうとして出ないのは苦しいのです。一晩経つと何事も無かったかのようにスムーズにいくのですが、そんな時は本当に無力感に襲われます。

 晩年の父が、そうでした。気丈な父が思い通りにならない自分の体に、とても苛立っていたことを記憶しています。とくだん病気があってそうなったわけではないのです。加齢によるのですが、もどかしく、そしてとても苛立たしそうにしていました。あの時の父の気持ちが少し分かる年齢になってきたのです。私の場合は、まだまだ稀にそうなる、という程度ですが、あと20年も経てば、そんな状態が日常になるのでしょう。

■ 今日は寒さが一気に募りました。

北海道・帯広市では、今シーズン全国で初めての「初氷」を観測、函館市では、「初霜」の便りが届いた。

 東京でも 11月の気温にまで下がりました。 しばらくは寒さと雨が続くようです。

成長

20171013(金曜日:曇)

釜山から安東市へ向かう高速バスターミナルです。ハングル語を勉強し始めてからは、文字があると、なんと読むのか気になって仕方ありません。

■昨日は暑い一日でした。半袖でも汗ばむほどでした。寒いのは辛いですが、といって暑いのも困ります。父が晩年よく言っていたのは、歳を取ると暑いのは何とかなるが寒いのは、とても辛い、ということでした。自分も実感として、だんだん分かるようになってきました。

 天気予報では今日は冷たい雨の一日とのこと。ロータリークラブのテーブル会が、沼津駅前のお店で今夜開催予定です。出かけるには生憎の天候です。午前7時35分現在は、雨もまだ降っていません。生ゴミを出して新聞を郵便箱から取り出して帰ってきました。朝食を取り終わって、入力をしています。今朝は走りませんでした。

■水曜日にNonちゃんと楽しいディナーを過ごしましたが、思うところも多々ありました。自分と同じ職業を選択した娘が成長の過程で、様々な悩みを抱えて悪戦苦闘している様子を聞いて、何十年か前の自分を思い出していました。

 当然ながら自分自身も同じような道を通ってきたのです。もう少し違った歩み方もあったのではないか、と当然思うことは色々ですが、その途上で思い悩む娘の姿に、嬉しくもあり心配でもあり、本当に複雑です。

 

思い

20171012(木曜日:晴れ)

我が家の庭の柿の木の実が色付いてきました。

■今朝も走りました。これで9日から4日連続で走りました。天候が崩れるという予報が出ているからです。朝、雨が降っていれば走りません。今日も5.77km を積み重ね総計 43.21km となりました。

 来週の木曜日には羽田空港からハノイに飛ぶ予定です。昨年のあの日から、もう一年が経ってしまいました。

■さて昨夜はNonちゃんと二人で夕食を楽しみました。Nonちゃんも、色々な悩みがあるようです。一生懸命に仕事に取り組めば取り組むほど、周囲との落差にがっかりすることが多いようです。

 医療というのは一人ではできません。仲間と協力して取り組むわけですが、意識の違いが障害になることは致し方ありません。これからの長い人生において、どのように自分の居場所を作り上げていくか。最高の回答など無いのでしょうが、少しでも近づくように考え続けるしかありません。

 

コロンブス・デー

20171011(水曜日:晴れ)

有楽町駅中央口前の広場で行われていたイベントです。東北地方の物産展です。

■今朝も走りました。昨日は朝10キロを走ったためか、さすがに一日中体がだるくて参りました。それでも夜は22時に床に入り、ハングルの本を読み直して文字の読み方を復習しました。

 夕ご飯の麦飯が良かったのでしょうか。今朝は胃の調子も元に戻って軽くなりました。5時に目覚ましが鳴り、起き出して準備をして走り出しました。

 5.77km を走り、これで総計 37.44km を積み重ねました。月間目標での目標ラインをようやく超えました。一回分の記録が消失したのが、とても痛いのですが、まぁ過ぎたことは致し方ありません。あと 63km 足らずです。

■昨夜からは小松左京さんのベストセラー、「日本沈没」キンドル版を読み始めました。1973年に刊行され大ベストセラーになりました。私が大学に入学したばかりの頃です。オイルショックなどもあり、右肩上がりの時代から先行きの不透明な時代への曲がり角だったのでしょう。

■さて今日はアメリカでは、コロンブス・デーです。祝日です。これまであまり問題にならなかったこの祝日も議論の的になっているようです。ネットによれば、

 歴史上の人物の評価を見直す動きが出ているアメリカでは、「コロンブス・デー」という祝日を迎えましたが、その名前をめぐっても論争が起きています。

 「イタリア出身の探検家コロンブスを記念する祝日のパレードです。今後、このコロンブスという名前が使えなくなってしまう可能性があるんです」(記者)

 アメリカでは8月に、白人至上主義者らの集会で衝突が起きたあと、人種差別をめぐる論争が過熱。歴史上の人物であるコロンブスに対しても、「先住民を迫害した」などとして、祝日の名を「先住民の日」に変えるべきだという声が出ています。

 9日、「コロンブス」の名に反発する市民数百人が先住民に関する展示を行う博物館で抗議活動を繰り広げました。

 「先住民を大量に虐殺した人物をたたえるなんてひどい人種差別だ」(「名前を変えるべき」派)
 「コロンブスはアメリカの歴史上とても重要だから、名前をなくすなんて弊害が出ると思う」(「名前は残すべき」派)

 歴史上の人物の業績を単なる過去と見るのか、それとも今も続く人種差別の象徴と見るのか。論争は簡単に収まりそうにありません。

 と、あります。歴史というのは見る視点を変えると、全く違った風景が見えてくるから不思議です。この日以降、新大陸の先住民が受けた苦難は、想像を絶するものでした。それを大航海時代と讃えられたのでは、犠牲者は浮かばれません。

これから

20171010(火曜日:晴れ)

10月9日の休日に、品川駅構内で開催されていた子どもたちのための行事です。運転手さんになったり、模型電車を動かしたり、と電車好きの子どもたちには最高のプレゼントでした。

■今朝は走りました。先週末は連休でゴルフの公式大会、そしてYukoさんのご両親と歓談、と行事一杯の週末でした。

 あけびの食中りもありましたが、昨日の銀座での歓談は3時間もの間、楽しいひと時を過ごすことができ、また一歩前進です。

SunもTaku も嬉しそうです。これから様々な困難が待ち受けていますが、二人で力を合わせて乗り越えるしかありません。

 ということで、今朝は頑張って10.06キロを走り、これで今月は総計 31.67km を積み上げ、何とか目標の達成へ一歩前進です。今月はベトナムへ出かけますので、走る機会が少ないことが一番の関門です。

 バクザン省のホテルでも走る予定にはしているのですが、何があるか分かりません。こちらにいる間に可能な限り積み上げていかないといけません。

■10月も中旬に入るというのに、最高気温が30度に届くという暑さです。夜になっても窓を開け放して半袖一枚で寒くありません。

 今日はベトナムはればれ支援隊の大釜会長がご夫婦で来られて、会長も今年の支援の旅に参加できそうだ、というお話をされていました。色々ご病気で体調を崩していたのですが、今年は何とか間に合ったようです。週末からは気温が下がるようですから風邪を引かないように厳重に注意しないとだめですね。

ご対面

20171009(月曜日:晴れ)

我が家の三階から見た富士山の様子です。霞んで見えます。

■今朝は走りました。5.7km を走ったのですが、エプソンのランニング・ウォッチから、その情報が消失してしまいました。以前にも大切な情報が、なぜが自然に消失していたことがありました。4つあるボタンのどれかを押したのが、その原因のようですが、ちょっとボタンに触れたぐらいで貴重な情報が消えてしまうのには、本当に困ってしまいます。

■土曜日に届いた Huawei P10 light を大変気に入りました。これから、さらにこの上の性能を持った機種が発売されるようです。それは、いわゆるニューラル・ネットワーク機能を持っているようです。ネットによれば、

Huaweiがドイツで開催中の家電見本市「IFA 2017」で、AI処理を行う専用プロセッサ「NPU」を内蔵する世界で初めてのSoC「Kirin 970」を発表しました。スマートフォンなどのモバイル端末においては画像処理や音声アシスタントなどキーテクノロジーになるであろうAI技術ですが、NPUの登場によってAI処理を端末側で高速かつ安全に行うことが可能になります。

 と、あります。いままでクラウド越しにインターネットを介して処理されていた情報を、スマホの中だけで処理できる、と考えれば良いようです。例えばスマホを用いた同時通訳なども、ひょっとすると可能になりそうです。

 ガラケーの時代には日本のメーカーも素晴らしい製品を発表し存在感もあったのですが、いまや無きに等しくなりました。技術開発に投資している額が、まるで雲泥の差になっているから致し方ありません。

 景気が良いと言われ、企業の内部留保が史上最高だ、とも言われていながら、どの分野に投資して未来に備えるかについて、多くの企業で定まっていないようです。その点、中国企業や韓国企業は思い切って未来への投資を行っています。上記の Huawei も、その企業の一つです。この会社に関する記事を読むと、上場していないので株主に気兼ねすることなく未来への投資を行うことができる、と幹部は発言しています。

 一昔前なら日本の企業幹部の発言といっても、おかしくない内容です。もちろん全ての中国企業や日本企業に当てはまることではありませんが、どうも彼我の差が気になります。

■衆議院選挙が明日公示されます。今朝の東京新聞一面には、日本記者クラブでの討論会の模様を報じています。

 いつもながら気になるのは、安倍首相の発言です。「断固として日本を守る」と何とかの一つ覚えのように繰り返します。私には、「断固として自分を守る」と聞こえて仕方ありません。政治家が外国からの脅威を訴える時には、眉に唾する必要があります。911後のアメリカ大統領が典型です。愛国法を作って次々と戦争を始めました。その御蔭でアメリカは、より安全になったのでしょうか。世界は、より住みやすくなったのでしょうか。

 どの国も政治家も、その点は同じようです。

■さて今日は、待ちに待ったYukoさん家族との対面です。さて、どうなりますことやら。

あけびの実

20171008(日曜日:晴れ)

 

ベトナム支援の旅のためにカメラ代わりに購入した新しいスマホ、Huawei P10 light で撮りました。我が家の三階から見た富士山方向の景色です。

 

■今日は久しぶりの新沼津カントリークラブの大西杯出場でした。誘っていただいた仲良しの坂口さんとの参加です。ところが思いもかけない出来事で途中棄権しました。18番ホールティーグランド近くになっていたあけびの実を、一緒に回っていた山田さんが食べてみなさい、と取って勧めてくれたのです。

 キャディーさんも一緒に食べたのですが、どうもそのアケビに食中りを起こしたようです。もともと胃腸の調子が良くなかったのかもしれません。前半が終わったところで、嘔気がひどくなり、そのままトイレに直行しました。そう、あの北海道支笏湖での出来事を思い出しました。

 なかなか食事に来ない私を心配して坂口さんがロッカールームに声を掛けに来てくれました。吐くものを吐ききったら、少し楽になり無理をすれば後半もプレイできそうだったのですが、明日の大切なTakuとの食事会があります。無理はできません。

 調べてみるとあけびの果肉は、そのままで食べても問題ないようです。種は食べずに出す、とあります。私の場合は何が問題だったのか分かりません。ただ体に合わなかったのでしょうか。

 ということで、生まれて初めて棄権しました。致し方ありません。

 先日手塚さんに指導してもらった点を復唱しながらのプレイでしたが、相変わらず一点を注意していると、他の大事な点を忘れていたりでチグハグでした。

 それでも進歩のあとはありましたので、良しとしなければなりません。

■昨夜も大学の静岡県同窓会理事会が静岡であり、会合が続いて疲れも溜まっていたのかもしれません。胃腸が弱いのでしょう、もともと。昔でしたら肩凝りで苦しんだのでしょうが、いまはストレッチと欠かさないおかげか、肩凝りで苦しむことは無くなりました。

 

岩波文庫創刊90周年

20171007(土曜日:雨)

世界遺産の河回村の様子です。ハングル文字では(하회마을)と書きます。何とか読めるようになりました。

■今朝は休養日。昨夜から、かなりの雨が降りました。午前7時11分現在雨は上がったようです。連休は何とか晴天に恵まれそうです。

■さて今朝の東京新聞4面には、「文庫本の世界」と第する特集記事が掲載されています。今年は岩波文庫が創刊されて90年になるそうです。本屋さんに行けばありとあらゆる文庫本が棚を飾っている今日では想像もできませんが、私が中学生の頃は、文庫本といえば岩波文庫でした。

 友人と岩波文庫を語り合ったのではなく、岩波文庫の目録をネタに書名を言って値段を当てるクイズを楽しんだりもしました。

 紙面では三人の方が語っておられます。女優・作家の中江友里さん、関西大東京センター長 竹内 洋さん、そしてちくさ正文館書店本店店長 古田一晴さんです。それぞれの方々が、それぞれの立場から語っておられ、興味深いものがあります。

 竹内さんが話されている、今こそ「真の教養主義を育む」という指摘はなるほどな、と思いました。岩波文庫を有難がっていたのは、東京の偉そうな先生が外国物を訳していて立派そうだ、読んでいることで他者とは違うという気分に浸れるブランド主義だった、というのです。いまや岩波文庫を頂点とするヒエラルキー(階層)は完全に消失した。そして、こう述べています。

こうして教養主義が崩壊した今こそ真の教養主義の可能性があるといえると思います。例えば、ここ数年、いろんな文庫から名作の新訳がでています。岩波文庫の権威主義がなくなって、人を見下すため、格好付けるための読書でなく、しみじみ楽しむための読書、本物の教養主義が出て気がします。

 なるほど、と思います。また本に触れ合う前に人との触れ合いがあった、という竹内さんの指摘も得心するばかりです。昔は先輩から勧められたり、同級生と話が繋がらなかったりしたのが読むきっかけだった、というのです。

そういうインフラとなる人間関係、公共圏と呼ばれるようなものが必要なのです。それは、今求められている熟議民主主義をも形作ると思います。

 とも語られています。

 最近は老眼のためもあって、電子書籍で読むことが殆どになってしまいました。本の携帯は文庫本でなくてはならないわけではありませんので、大切なのは本そのものに触れることであることは間違いありません。

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