■20200103(金曜日: 晴れ)
■昨夜は、のんちゃんとトモくんも箱根に来てくれて、四人で夕食を共にしました。
■今朝は6時に目覚ましを合わせ、起き出しました。箱根駅伝復路を観戦するためです。昨日は宿から全て歩きましたが、今日は車で途中まで行き、10分ほど歩きました。
7時50分頃に小涌園前に到着。芦ノ湖へ向かう道路端左側に位置を決めました。そこからは500メートルほど真っ直ぐな道路を見渡せます。
8時にスタートが切られていることはネットで確認しました。38分ほど経過した時点で、トップの青山学院大学の選手が現れました。警備車で先導された選手が、見え始めたと思ったら、あっという間に目の前を走り抜けました。
やがて次々に選手が現れては、目の前を通りすぎて行きます。最後の筑波大学のランナーを確認して、宿に戻るべく踵を返しました。テレビ観戦に切り替えるためです。
宿につしてテレビを見ると、すでに先頭のランナーは中継所で襷の交換を終えていました。
■今回の大会で驚くのは、なんと言っても区間新記録の続出です。それぞれの区間の距離が、まるで短めに変更されたかのごときです。
気象条件の良さも、もちろん寄与しているのでしょうが、やはりなんと言っても、新しいランニングシューズの登場が最大の要因です。
それぞれの学校はユニフォームや襷の色に、最大限の工夫を凝らしていながら、靴の色が、どれも似たりよったりなのが、とても奇妙に感じます。
試しにネットで噂のランニングシューズの価格を調べてみると、5万円以上するようです。市民ランナーには、高嶺の花のです。ちょっとガッカリして、ネットで調べてみると、ナイキはちゃんと市民ランナー向けの廉価版を発売してくれていました。
「ヴェイパーフライネクスト%」に対する「ズームフライ3」です。一万円台前半で手に入ります。利用者の書き込みを見ると、それ以前に比較して、長い距離を楽に走ることが、誰にでも出来るようです。
家に帰ったら、さっそく現在使用している靴のサイズを確認して、注文するつもりです。2020の私のランニングシーンが、大きく変わる可能性を楽しみに、努力を積み重ねましょう。
■さてある原稿を書くために、堂場瞬一さんの「チーム」を、いま再読しています。箱根駅伝の学連選抜チームを描いた作品です。10月に立川で行われる、予選会から始まるこの小説は、箱根駅伝、そして駅伝の奥深さを学連選抜チームを通して、興味深く描いています。
2020箱根駅伝では、学連選抜チームは最下位でした。小説に書かれてあるように、個々の選手の力量は決して他のチームに劣るものではないのです。
20チーム以外の学校から、選り抜きの選手を集めてチームを作るわけですから、単純に予選会の記録を10人分足し算するだけなら、計算上は最下位という結果は有り得ないはずなのです。
理論と現実の、この落差を説明する際に、著者が焦点を当てるのが、「誰のために走るのか」という視点です。
駅伝では、「襷を繋ぐ」という点を、何より重要視します。襷を手渡す相手を眼前にしながら、制限時間をわずかに超えて叶わなかった選手が、ゴールを駆け抜けた後で路上に横たわり、大の大人がオイオイと涙する。そんなテレビ画面を見ながら視聴者は感動する。
他の競技では考えられない光景です。そこで著者の堂場瞬一さんは、こう書かれるのです。
『誰かのためを思って走る時、人は一段強い存在になれるのだ』。
そうなのです。学連選抜チームには、その「誰か」が欠けているのです。この小説に一貫して流れるテーマは、いったい誰のために走るのか、という点なのです。
てんでんバラバラだった学連選抜チームが、やがて絆を結び始める。その過程こそが、この小説の醍醐味なのです。
この小説を読んでからは、学連選抜チームの順位も気になるようになったから不思議です。