20170908(金曜日:曇)
■昨夜は東部眼科医会の勉強会があり、21時まで発表を聞きました。こうした勉強会は身近なテーマのことが多く、とても参考になります。演者の先生方は、十分時間を掛けて調べた上で発表されていますので、聞きながらにしていま基本となっている事柄を学ぶことができます。有り難いことです。それと同時に、同じ疾患の、同じような病状を診ても、治療方針について異なる考えがあるのだ、と驚くこともあります。
■昨夜も、
サピエンス全史(下) 文明の構造と人類の幸福 サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福 Kindle版
ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田裕之 (翻訳)
を読み進めました。なぜヨーロッパの列強が世界を征服し支配することができたのか。それまでの歴史に登場した様々な帝国は、はるか遠く海を超えて、全く見知らぬ土地を略奪、征服しようとは思わなかったそうです。そうした行為を支えた精神的な背景は何だったのか、という説明が下巻にはなされています。
その一つの因子として、無知の自覚、という点があります。幾つかの言葉を紹介すれば、
コロンブスは、無知を自覚していなかったという点で、まだ中世の人間だったのだ。彼は、世界全体を知っているという確信を持っていた。そして、この重大な発見さえ、その確信を揺るがすことはできなかった。
歳月が流れるうちに、知識の征服と領土の征服は、ますます強く結びついていった。
ローマ人やモンゴル人やアステカ族は、知識ではなく、富と権力を求めて新天地を貪欲に征服した。それとは対照的に、ヨーロッパの帝国主義者は、新たな領土とともに新たな知識を獲得することを望み、遠く離れた土地を目指して海へ乗り出していった。
科学者も征服者も無知を認めるところから出発した。両者は、「外の世界がどうなっているか見当もつかない」と口を揃えて言った。両者とも、外に出て行って新たな発見をせずにはいられなかった。そして、そうすることで獲得した新しい知識によって世界を制するという願望を持っていたのだ。」
しかしヨーロッパには偉大な大航海時代も、征服された現地の人間たちにとっては地獄の時代だったことは、間違いないようです。