■20190923(月曜日:雨)

懐かしの「北の国から」の舞台です。

■昨夜から雨が降り続いています。台風17号が日本海に抜けて、北上中のようです。これから北海道は大雨になるかもしれません。

昨日は沼津西ロータリークラブのゴルフコンペがありました。最近は皆さんの都合を勘案して土曜日に開催されることが多く、私はなかなか参加できませんでした。当然のことだと思います。次の日が休みであれば疲れも取れますし、気持ちの上でも随分と楽です。通常の日曜日ですと次の日は仕事ですから、なかなかのんびりできません。これからは色々な組織の催し物は、土曜日に集約されていくかもしれません。ほとんどの方が、週休2日制だからです。

ただし地域の公的病院が土曜日休診ですので、自分たちが休診にしてしまうと街は無医村の状態になってしまいます。したがって私のような開業医は、土曜日を休むことができる日は永遠に巡ってこないでしょう。世の中の流れですから、致し方ありません。

 

■さて、今朝の東京新聞朝刊の「東京エンタメ堂書店」では、作家の江上剛さんが、「就職氷河期世代のために」と題して3冊の本を紹介されています。

1冊目は「進む分断化、恐ろしく」と題して「橋本健二著『 新日本の階級社会』講談社現代新書」を紹介されています。橋本氏によれば、日本社会はもはや『格差社会』などという生ぬるい言葉で形容すべきものではない。それは明らかに『階級社会』なのである、と指摘し、実証しているのです。今まで、階級社会の底辺は労働者階級だったのですが、非正規労働者の増加で「階級以下」の存在、「アンダークラス」が形成され、労働者階級が分断されたというのです。

2冊目は「生活の厳しさ、克明に」と題して、『非正規クライシス』(朝日新聞出版)を紹介されています。世の中は人手不足だと叫ばれながらも、2017年度、非正規労働者は2036万人となり、全労働者の37.3パーセントにもなっています。安倍総理が自慢げに語る雇用が増えても、その実態は収入の少ない非正規が増えているだけで、社会も安定しないし、消費も上向かない。この本は非正規労働者の実態を克明にルポしており、その生活の厳しさに胸が痛む、と江上さんは書かれています。

3冊目は「児童虐待死の原因にも」と題して、朝日新聞取材班著『増補版 子どもと貧困』(朝日新聞出版)を取り上げています。非正規労働者の増加の影響は、社会的に最も弱い部分である子供に対しても当然影響しています。日本は先進国でも子供の貧困比率が高い国なのです。相変わらず子供虐待死の報道が減りませんが、これも貧困が原因である、と江上さんは書かれています。

 

■この3冊の江上さんによる書評を読むと、現在の社会が抱える多くの問題の根底に、非正規労働者の増加による貧困の問題があることが分かります。小泉内閣以来、強力に推し進められてきた、規制緩和による派遣労働者の増加は、派遣会社に巨大な富をもたらしたものの、多くの国民は貧しくなる一方である、という事実です。

働く人の人件費は単なる経費コストであるという経営者の考えが徹底されてきているのです。こうした経営方法は、まるで焼き畑農業のように、私には思えます。結局は人々を貧しくし、社会を不安定にし、未来にわたって継続可能な社会を構築するという政治の持つ本来の目的とは、まるで真逆の方向に進んでいるように思えるのです。小泉政権以来の新自由主義と名付けられた政治の進む方向は明らかに間違っているのです。

一刻も早くこうした方針を転換していかないと、日本社会は暴力に満ち、いっときも気を許せない、不安な社会になることは、火を見るより明らかです。時間は残されていないのです。野党の皆さんに、悠長な議論にふけっている暇はないのです。一刻も早く政権交代をしないと日本は永遠に立ち直れない社会になってしまいます。1人でも多くの国民がその危険性に気付かなければなりません。