■20220608(水曜日:曇りのち雨)
■旅から帰って、さっそく昨夜は医師会の理事会でした。今月の総会で、新しい役員が選出され、新体制が始まります。いままで毎月、顔を合わせていた仲間の先生とも、来月からは会うことができなくなります。
こればかりは致し方ありません。初めて理事会に参加させていただいた頃は、私が最年少でした。ところが次期からは、どうやら最年長になりそうです。時の移ろいとは、かくの如きことを言うのでしょう。
その間に、6人の医師会長に仕えました。医師会の存続を揺るがすような、大きな問題もありましたし、平穏な時期もありました。この2年ほどは、コロナ禍に振り回された、という時間でした。今になってみると、その6名の会長のうち、3名はすでに鬼籍に入られました。
それは文字通り、方丈記の描く世界そのままです。形あるものは壊れ、命あるものも、露のように儚いものです。自分も同様です。
たましきの都のうちに、棟を並べ、甍を争へる、高き、卑しき、人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。
あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家滅びて小家となる。住む人もこれに同じ。所も変はらず、人も多かれど、いにしへ見し人は、二、三十人が中に、わづかにひとりふたりなり。
朝に死に、夕べに生まるるならひ、ただ水のあわにぞ似たりける。