20171112(日曜日:晴れ)
■今朝は目覚ましで起きたものの、走る気力が出ませんでした。7時半には原駅で待ち合わせて焼津で行われる年に一度の2620地区の地区大会に出かけます。静岡・山梨のロータリアンが一堂に会する年に一度の機会です。
焼津は焼津マラソンに参加したことがあるので、駅前から焼津港までは歩きました。今回はバスで焼津の文化センターでに向かいました。車に乗っていると道順が全然分かりません。いつの間にか会場に到着しています。
1,300人が集まるには少し手狭でしたので、休憩時間にみなさんがお茶を飲む広場もぎゅう詰めで、人の背中ばかりが見えるような状態でした。
■記念講演は白駒妃登美(しらこま ひとみ)さんの、「歴史が教えてくれる日本人の生き方」でした。白駒さんを私は知りませんでした。
慶応大学を卒業後大手航空会社の国際線乗務員として7年半勤務。その後、大病をわずらい、命と向き合う中で、先人たちの生きざまを振り返り、生き方を変えたことで病状が奇跡的に回復した経験から、その気づきに導いてくれた先人たちの「志」や、そこに生きた人々の「思い」に触れる歴史の講演を始める。
現在、講演、テレビ、ラジオ出演回収は、全国各地で年間200回を超える。
と、パンフレットの紹介にあります。
ものすごくハイテンションの話しぶりに驚くことから始まりましたが、日本の素晴らしさをこれでもかと繰り返す講演内容は、残念ながら、私などにはどこかのネット記事で、すでに何度か読んだ自虐史観を批判する内容の焼き直しでした。確かに耳に心地よいのです。何しろ日本や日本人の素晴らしさを、壊れた蓄音機のように繰り返すのですから。
他国と違って日本は素晴らしい、という内容は、もちろん全くの間違いではありません。神話に始まり、日本ほど歴史の長い国は他にないと、どこかの団体が繰り返すような、紋切型の、そしていささか陳腐な褒め言葉は、どうもいただけない、と私は感じざるを得ませんでした。安倍総理が聞いたら涙を流して喜びそうな内容、と言えば分かりやすいかもしれません。
いわば他国をこき下ろして悦に入る、とでも言うのでしょうか、こうした自愛的な、陶酔的な言葉の数々が、今の日本で蔓延している心理状況を、私はとても危惧しているのです。はっきり言って、こんな言葉の中から前向きな一歩が踏み出せるとは、あるいは今の日本の問題を解決できるとは、私にはとても思えないのです。
しかし、こうした内容の講演が全国で、いわば引っ張りだこなことは間違いありません。櫻井よしこさんの講演が、全国で引っ張りだこなことと似ているように私には思えました。隣の国々と違って日本は素晴らしい国なのだ、日本人の道徳心は、その国々とは全く違うのだ、という何とかの一つ覚えの内容は、しかしある意味危険極まりないのです。そうしたことさえも忘れてしまっているかもしれない今の日本人の心象風景は、とても危険です。
多くの日本人が、このような内容に陶酔しているとは思いたくないのですが、残念ながら、このような大会で講師として招聘されているわけですから、ますます私は危惧の念を深めているのです。
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