■20191012(土曜日、暴風雨)

3歳から19歳までを過ごした川口市の荒川沿いの土手です。

■台風19号が接近し、東海地方はこれから暴風雨に見舞われそうです。鉄道や飛行機も昨日には早々と欠航が決まり、今日に備えています。土曜日からですと三連休のお休みですので、絶好の行楽日和になるはずでしたが、それどころではありません。観光地にとっては大打撃に違いありません。

ホテルなどのキャンセルも、原因が台風であればキャンセル料を取ることもできないようです。相手が自然ですから、誰に文句を言うわけにもいきませんが、それにしても日本は、本当に天災列島だと思います。

ラグビーW杯で来日している、ニュージーランドの代表選手が、今まで台風というものを経験したことがないので、どうして良いか分からない、という趣旨の発言をしていました。私達日本人からすると、台風を経験したことがない、という話自体が信じられない思いです。

地震にしてもしかりです。以前ベトナムの方とお話をしていて、確かその方は地震を経験したことがないと話されていました。私からすると信じられない思いでした。世界中には台風も地震も経験することなく、生活できる地域があるのだと知って、世界は広いなと痛感するのです。

■さて、長周新聞第8409号には、NHK ETV特集シリーズ「日系人強制収容と現代」の記事が掲載されています。「日系人への差別排外主義 3世4世を追うドキュメンタリー アメリカの強制収容の歴史考える」ともあります。

長周新聞は山口県で発行されている地方紙の一つですが、内容は読み応えのある重いものが多く掲載されています。読み流すということが、できにくい構成となっています。しかし、それだけに自分の頭で、しっかり考えなければいけない内容なのです。

この記事では、第2次世界大戦中に、敵性国民として強制的に隔離収容された日系アメリカ人の子供達(三世・四世)の現在を追うドキュメンタリーについて書かれています。この記事の中で、私がなるほどなと思ったのは、以下の部分です。

この番組から思い浮かぶ疑問は戦後ナチスのユダヤ人強制収用への批判は比較的やられてきたが、それに通じるアメリカの日系人強制収容が長い間、なぜ問題にされなかったのかということである。それは後に「市民権を得た」とされる日系人の社会的地位や差別的な待遇がなんら変わらずに来たこととも関わっている

戦後アメリカは原爆投下をはじめ、第2次世界大戦におけるアメリカの戦争犯罪、非人道性に関わる報道を一切禁じました。こうしたアメリカの自由・民主・人権にひれ伏した潮流が、近隣の朝鮮や中国に対する植民地的な侮蔑意識を克服できず、ある場合にはそれを剥き出しにして恥じないでいることは偶然とは思えない、と記事は指摘しています。

東に向かっては卑屈となり、西に向かっては居丈高に振る舞う、未だに続く日本人の行動が、私にはまるで合わせ鏡のように見えるのです。最後に紙面は、こう終わっています。

日系アメリカ人の強制収用の歴史をとらえ直すことは、戦後形成された対米屈従の社会構造のもとで生活基盤の破壊に直面する日本国民の側から、アメリカ為政者の無慈悲な人種差別政策に批判の矢を放つ作業でもある。それはまた、アジア諸民族へのレイシズムを克服し、日本国民の誇りある生き方を取り戻す道筋を探っていくことにとつながっている

西洋諸国に言わば、武力で無理やり開国されて始まった日本の近代以降、未だに克服されていない日本人の精神的な課題のように、私には思えるのです。この点を克服しない限り、真の自由も平等も博愛も、日本人には手に入れることは、できないのではないでしょうか。