■20210214(日曜日:晴れ)
■昨夜は先日届いたばかりのiPlay40という中華パッドで、三浦しをんさんの「強く風が吹いている」を読み終えました。箱根駅伝を扱った小説です。
私は以前、堂場瞬一さんの「チーム」 という同じように箱根駅伝を扱った小説を読んでいました。どちらも楽しく最後まで読むことができました。
著者が違いますから、もちろん当てている焦点も異なり、それぞれに趣がありました。 ただ箱根駅伝が10区の区間で構成されていることは変更のしようもありませんから、どの区間のランナーに重きを置くかという点では、 二つの小説とも当然のことながら、アンカーが一番中心的な役割を担っています。
そしてアンカーが二人とも故障を抱えて、その故障と戦いながらチームをまとめ、最後まで走りきるという設定は同じだったように思います。
どちらの小説をより好むかは、もちろん個人の感受性の問題でしょうから、どちらの小説がより優れているかという問題ではないと思います。私自身は「チーム」の方が、より乾いた文体というか、ハードボイルドというか、 自分の好みにはあっているようです。
どちらもいわゆる優勝候補の有力校を主人公にしているわけではなく、「チーム」は関東学生連合チーム(学連選抜)を主人公にしていますし、一方は名もなき弱小校を主人公にしています。その方が小説として面白みが出るのでしょう。
小説家というのは、このようにして物語を作り上げるのだと感心することしきりでした。箱根駅伝を舞台にした更なる小説が、今後誕生するのかどうかが楽しみです。