2022 年 02 月 11 日 北海道小樽市街と石狩湾です。

日: 2018年11月27日

娘の幸せ

■ いいたい放題

 二〇〇八年から続けているベトナム枯葉剤被害者支援の旅に、六名の仲間とともに今年も出かけました。三年連続でバクザン省職業訓練センターを中心に、女医でもある施設長のトゥイさんが選んでくれた十二軒の被害者家庭を訪問し、家庭状況を確認の上、皆様から寄付していただいた医薬品や生活支援金を、お渡ししました。

 センターでは医薬品の贈呈とともに、子ども達や職員の皆さんの眼科検診を行いました。さらに今年は、障害を持つ子ども達の運動機能回復のために必要なリハビリ機器と、施設運営資金として千ドルを寄付することができました。今年は施設の子ども達の数が少なくて拍子抜けだったのですが、施設長さんのお話を聞き納得しました。施設で受けた職業訓練を土台にして子ども達は仕事に付き活躍中で、そのために多くの子が不在だったのです。施設での活動が実を結びつつあるようです。

 最初に訪問した家庭では、グエンさん父娘にお話を聞くことができました。枯葉剤の後遺症として、お二人とも顔を中心に全身に多数のコブ、腫瘍があり時々痛むとのことでした。

「私が従軍したのは、フエ省、クアンチ省で枯葉剤散布のひどい場所でした。一九七五年に戦争は終わりましたが、皮膚症状は一九七七年時点ではありませんでした。それ以後に出現してきたのです。六人の子供がいますが、症状があるのは、四番目のこの娘だけです。生まれた時点では、お尻に大きな腫瘍があり摘出しました。ずっと病弱でした。六歳から小さい腫瘍が出現、次第に増大してきました。知的障害もありますが、自分のことは自分でできるし、私の仕事を手伝うこともできます。兄弟からの支援は無理なので、生活資金は国からの援助金のみ。月の支援金は二人合わせて全部で二〇〇万ドン(日本円で一万円弱)。農業をして自給自足に近い状態です。苦しいことが多いが、後ろ向きに考えても仕方がないので、いつも笑顔で過ごすように心がけています。みなさんには、ここまで来ていただいて感謝しています。妻は九年前に死にました」

 父親は私と同じ歳、そして障害を持つ娘さんは、私の長女と同じ歳でした。帰りがけ、一人で玄関前に立つ娘さんに、幸せあれ、と心から願いバスの中から手を振りました。顔の腫瘍を手で隠しながら、恥ずかしそうに手を振り返してくれた娘さんの顔が、忘れられません。

 帰りの飛行機を待つハノイ・ノイバイ国際空港でのこと。バスを待つ列に並んでいた若い女性のキャリーバッグに置かれた英語の本に目が止まりました。お話を聞いてみると日本の会社でシステムエンジニアとして働いているとのこと。日越を往復する日々のようです。私達のベトナムでの活動をお話し、枯葉剤被害について尋ねてみると、全く聞いたことがない、と言われ驚きましたが、これまでにも何度か同じような経験をしたことがあります。どうやらベトナムでは若い世代にベトナム戦争での枯葉剤散布、そしてその後の被害について積極的には教育していないようです。支援活動と同じように、広報活動も大切だと痛感し、帰国の途についたのです。

環境保護

■20181127(火曜日:晴れ)

 

ベトナム・ハノイのお昼時です。歩道に俄仕立ての昼飯屋さんです。

 

 

■今朝はゆっくりと休みました。12月の2日のお伊勢マラソンに向けて調整です。明日の朝いつものとおりに走って、月間目標を達成し、その後は本番まで休息です。

 

昨夜は冷え込みも弱く、寒さ対策で着込んだ寝間着代わりのフリースのためか体温が上がってしまい、動機で目が覚めてしまいました。最近は体温調節能力が低下しているのか、寝ていて暑すぎると動機がして困ります。体を冷やさないと寝つけなくなりました。年を取るというのは、本当に大変なことです。

 

■今朝の東京新聞朝刊では木村太郎さんが、「太郎の国際通信」でアメリカ・カリフォルニア州の山火事について書かれています。山火事の原因は、まだはっきりしていないようですが、北部のパラダイス町の火事は、どうやら電線のショートから始まったのではないかと疑われているようです。カリフォルニア州の山火事では電線がショートして枯れ木や枯れ草に燃え移り広がることが多いそうです。こうした危険性を防ぐためにカリフォルニア州議会では2年前、全会一致で山火事防止法案を議決していたのですが、カリフォルニア州のブラウン知事(民主党)が拒否権を行使してこの法律は実現しませんでした。

 

ブラウン知事の拒否権行使の背景には、カリフォルニア州の環境保護派が森林伐採に対し強く抵抗していることがあると言われています。トランプ大統領は「山火事の原因は森林管理の失敗からだ」と言ったのも、あながちでまかせではなかったようです。

 

国土管理や国立公園などを担当するジンキ内務長官は者会見で、

 

森林の密度、特に枯れ木の密度が高いほど山火事の危険性が大きいわけ由で、我々は森林管理をしたいのだが、環境保護過激派が次から次へと訴訟を起こして妨害してきた。彼らは森林全体を燃やしても、一本の木を切ったり森を間伐しない方が良いと考えているようだ。

 

 

これに対してカリフォルニア州のリベラル派は、パリ協定離脱に代表されるトランプ大統領の環境軽視が今回の災害の遠因だと批判している。今回の山火事はやっと鎮火したが、政治問題の方は火勢が弱まる気配は見えない、と書かれています。

 

まさに不毛の論争です。森も手を入れないと荒れ放題になるのは、日本でも大きな問題になっています。アメリカは植林した森なのかどうか知りませんが、やはり手入れが必要なのでしょう。建設的な議論を経て、より良い環境を維持していくしか無いようです。

 

 

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