■20230621(水曜日:雨)夏至
■今年の千歳JAL国際マラソンに出かけて、一つ気付いたのは、JR千歳駅に、マラソン参加者に対する歓迎の看板が無かったことです。いつもですと、プラットフォームから改札口に降りる階段正面に、歓迎看板が掲げられています。
今年は、それがありませんでした。私が知る限り、この10年間では、初めてのことです。経費削減でしょうか。昨年3年ぶりに再開したもの、大会の運営を左右する参加者数は、確かに以前よりかなり少ないはずです。
まず種目数が減りました。子どもたちも参加できる、家族ランもありません。フルマラソンとハーフだけです。参加人数が少なくても、運営に必要な人手は、そうは削減できないでしょうから、結局出費ばかりが増えることになりそうです。
運営に支障をきたして中止というシナリオが、大会参加者には悪夢です。参加費を値上げする手はありますが、他の大会でも同様の経緯で値上げして、逆に参加者が激減し、結局開催が難しくなる例も出ています。
高騰する参加費は、ランナーにとって負担になってきています。景気が良くて、ランナーの所得がどんどん増えているわけでは決してありません。むしろ逆に日本では、この30年間一貫して、実質賃金は減り続けています。そんな先進国は、他にありません。どんどん弱い国に成り果てています。本当に残念です。
■そんなことを考えていると、こんな書評が掲載されていました。
『増税地獄――増負担時代を生き抜く経済学』 著・森永卓郎
マスコミが決して報じない、日本の真の姿です。こう書き出されています。
日本では30年間賃金が下がり続けているのに、税負担や社会保障負担は増え続け、いまや国民負担率(所得に対して税金や社会保障費をどれだけ支払っているかの割合)は5割に迫る。
いわば「五公五民」状態であり、江戸時代なら全国で百姓一揆が激発していてもおかしくない。この本では重税国家ニッポンの実像を、数字やグラフを使って明らかにしている。
怒ることすら骨抜きにされているのです。自分の生活を、もっと良くしたい、という思いをぶつける先が見当たらないのです。政治の怠慢なのです。与野党が裏で結託して、国民を無力化しています。その先にあるのは、この国の没落です。
この国は5年後に、どんな姿に成り果てているのか。本当に心配です。