■20200318(水曜日:晴れ)

伊香保温泉での夕食です。

■今朝は起き出すことができませんでした。5時に目覚ましを合わせていたのですが、2日間続けて走ったためでしょうか、走り出す元気が出ませんでした。

昨夜は医師会の理事会があり、報告事項、検討事項、承認事項と山のように書類があり、時間もかかりました。新型コロナウイルス感染症の対応問題も大きな課題でした。全員マスク着用での会議も、異様と言えば異様でした。

感染はまだまだこれから広がるでしょうから、収束したと宣言できるのは、当分先の話ではないでしょうか。それまでに、経済的に行き詰まったり、精神的に息詰まったりして、感染以外の原因で犠牲者の出ないことを祈るばかりです。

■さて今朝の東京新聞こちら特報部では、「今夏の五輪開催、新型コロナで暗雲、延期論は無理筋、命のため早く中止決断を」と題して書かれています。

普通に考えると、これだけ世界的に感染が蔓延している現状では、今年の夏にオリンピックを開催することは、とても無理のように思えます。

たとえ日本が感染拡大を制御し、終息宣言ができたとしても、世界中から選手がやってくることができない可能性が高いからです。アメリカではまだ選手選考のための全米選手権が開かれていないようです。

IOCと東京都、そしてJOC(日本オリンピック委員会)が結んだ開催都市契約によれば、「2020年中に東京五輪が開催されない場合、IOC は大会を中止する権利を持つ」と書かれています。

これを踏まえて、橋本聖子五輪相が2020年内ならば延期が可能との認識を示しましたが、日本が20年内の開催を望んでも実現するとは限りません。まだまだ選手選考のための予選が終わっていない競技があるため、夏までに代表選考が終わるのは難しいからです。

しかも今年中となると感染の不安が払拭されない限り、日本行きをためらう選手が出るのではないか。近年はプロのアスリートが多く、感染すれば億単位の収入を失うから敏感になっているそうです。

となると、年内を諦めて1年後あるいは2年後の延期を考えればと思いますが、そうは問屋が卸してくれないそうです。五輪憲章を見ると、『夏季五輪は4年に1度開く』と明記されています。

このサイクルを崩して東京五輪を延期したいと考えた場合、憲章の改正が必要となり、それには IOC 総会の場で投票総数の3分の2以上の賛成が必要となります。

4年に1度の開催の意味を、JOCの元参事、春日良一氏はこう指摘しています。

五輪発祥の古代ギリシャでは4年に1度、武器を置いて競技にいそしみ、平和への思いを神に捧げた。

1896年に近代五輪が始まったのも、帝国主義がはびこる中、4年に1度は平和の精神に立ち返る機会を作ろうとしたから。

このサイクルを変えたら五輪の意味がなくなる。歴史を変えることにもなる。

奈良女子大の石坂友司准教授が最後にこう書かれています。

東京五輪を名目に競技場や道路などのインフラ整備が正当化され、東日本大震災からの復興とも結び付けられた。

行政側の思惑に市民が巻き込まれ、五輪が『大事なもの』にさせられた。

私たちはその点が大きな問題だったと反省した上で、何のための五輪なのか、改めて問い直す必要がある。

1936年ベルリンオリンピックが開催された時に、時のヒトラー総統はアーリア人種の優秀さを世界に示すために、あらゆるメディアを最大限に活用しオリンピックを利用したのです。

もう一度私達は、本当に東京五輪を開催する意味は何なのか、をしっかりと自分自身の頭で考える必要があるのではないでしょうか。